自民党政調会・法務部会が開かれ、初めて「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案が示されました。今国会の重要法案で国会提出前から度々質疑の対象となるなど、注目されているだけにテレビ等マスコミもたくさん入って緊張感が漂っていました。
「テロ等準備罪」を含む組織犯罪処罰法は、国際組織犯罪防止条約(TOC条約)を締結するための担保法となるもので、この条約を締結することが立法事実であることは、先日の私の内閣法制局長官への答弁でも明らかにされたところです。
TOC条約は既に世界で187カ国が締結しており、未締結は我が国をはじめイラン、ソマリア、南スーダンなど11カ国にすぎません。我が国が立法に対して世界で最も厳しい国のひとつであると見ることもできますが、一方でテロ等の国際的犯罪の危険性が高まっているなかで、当該条約を締結できないことは、国際協力に綻びを生じさせ信頼を欠くことにもなります。
TOC条約締結の担保法が、過去3度に渡って廃案になっているのは、「犯罪とは関係のない一般人が処罰の対象になるのではないか」という懸念を払拭できなかったところにもあります。その点を考慮して今回の法案では、犯罪主体を明確化して「組織的犯罪集団」に限定し、犯罪の計画をした者のいずれかにより、計画に基づく犯罪を実行するための準備行為が行われたときという、より厳しい要件を規定しています。
各委員からは、TOC条約締結の必要性を認めたうえで、今後の法案審議を踏まえた様々な角度からの質問・意見が寄せられました。私も懸念される問題について質しましたが、早々の国会提出を目指して連続して部会が開かれることから、しっかりと対応したいと考えています。