小泉進次郎党農林部会長が、つくば市の農業環境技術研究所、農業生物資源研究所、農業・食品産業技術総合研究所、龍ケ崎市の横田農場の視察を行いましたので、地元議員として参加しました。
生物研では先端ゲノム研究により、病気に強く食味も良く栽培し易いイネや、霜降り割合が2倍にもなり柔らかくて美味しい豚肉、遺伝子組換えカイコにより美しく発色する高機能シルクなどが作られており、農業の分野における科学技術の進歩に目覚ましいものがあることを実感しました。何より、スギ花粉症治療米の研究が進んでいることには驚きました。国民病である花粉症を先端農業技術で克服できることは本当に素晴らしく、花粉症に悩む多くの人々のために一日も早い実用化が望まれます。農研機構では、大粒で種なし、果皮が薄く渋みもないために皮ごと食べられ、欧州ブドウの肉質とマスカット香のあるシャインマスカットを生み出されています。その他、糖度が高くておいしいサツマイモ「べにはるか」や、晩生品種で食感に優れ糖度が15%近くまで上がるナシ、「甘太(かんた)」など、農研機構の多くの成果物を実際に食べさせていただき、大きな進歩を実感しました。
GPSや通信技術を活用した、トラクタや田植機、稲刈り機などの農作業ロボットを見てその進歩に驚きました。実際にトラクタロボットによる耕うんを目の当たりにし、ドローンにより圃場の上空から植物の生育環境を把握したり、消毒などを行う様子は、まさに未来の農業の姿を見るようでした。
塚田農場では、一台の田植機とコンバインで120ヘクタールもの稲作を行っており、さらに米粉のパンやケーキを作って販売していました。IT化により水や温度の管理をしていることも先進的で、全国に同志を求めて農業の将来を研究していることもたいへん素晴らしいと感じました。
TPPにより世界のGDPの約4割にあたる巨大な経済圏が形成されることは、人口減少により経済が縮小する我が国において、新たな発展の可能性を拓くものとなります。しかし、我が国農業が激しい国際競争にさらされることに対する不安が募っており、この対策が急務です。
不安の払拭にとどまらず、これを契機に国際競争力の強い農政新時代を拓くために、自民党はTPP総合対策実行本部を設置し、小泉進次郎農林水産部会長のもとに積極的な議論を重ねてきました。その一環としてつくば市の研究所で先端農業の視察を行ない、食味が良くて栽培しやすい稲の開発から、無人で作業するトラクタや田植機、ドローンの活用による省力化などを見て、農業の将来性を再認識させられました。
政府においても政策大綱を決定し、平成27年度補正予算において4,875億円、平成28年度当初予算で1,582億円を計上するなど、積極的な対策を講じております。これらを実効性あるものとして、豊かな農業を拓くために全力を尽くします。