2016/07/13

児童虐待事件及び高齢者・障害者関連事件への効果的な対処に係る検事会同

 児童虐待事件及び高齢者・障害者関連事件への効果的な対処に係る検事会同にて、法務大臣訓示を代読しました。
 
 近時、児童虐待事件の認知件数は増加しており、虐待を受けた児童が死亡するなどの悪質重大な事案も後を絶たず、こうした事案に厳正に対処することが求められています。
 また、高齢化が進行する中、高齢者による自動車事故や万引き等が社会的な問題となっている一方、高齢者が被害に遭う犯罪の認知件数も年々増加傾向にあり、高齢者の特性を理解した上で、適切な対処をする必要があります。
 さらに「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」が本年4月1日から施行され、刑事司法の分野においても、障害者が事件関係者となった場合に、その障害の状態等に応じた必要かつ合理的な配慮をすることが求められている状況にあります。
 そこで皆様には、この種事案について、常日頃から事案の特殊性に留意して適切な証拠収集に努めて頂くとともに、関係者の特性に関する知識を習得し、その特性に応じた捜査・公判活動を的確に遂行するよう努めて頂きたいと思います。
 また、こうした事案については、加害者の再犯を防止することやその社会復帰を支援すること、加害者の再被害を防止することも重要です。
 警察はもとより、児童相談所、保護観察所及び福祉施設等の関係機関・団体とも適切に連携するなどして、国民の皆様が安全・安心に暮らせる社会を実現するため、御尽力頂きたいと思います。